1月21日から5日間中国南通市に出張します。昨年9月と11月に続き、近年では3回目の中国出張になります。
南通市は上海から揚子江に架かる橋を渡った対岸にある人口800万人とも言われる大都市で、日本企業の工場が数多くあります。工場建設当時の20年前は、まだ揚子江に橋は架かっておらずフェリーで揚子江を渡っていました。そのフェリーですが、おそらく日本人が想像するであろうフェリーのイメージとは違い、材木や土砂など資材運搬用の四角いいかだ船と言った感じで、誤って落ちたら命はないだろうなと思いながら乗船した記憶があります。
乗客のほとんどが中国人でしたが、何度か乗船した中で一度中国人同士が喧嘩を始めたことがありました。しかもいい歳をしたおじさんとおばさんです。理由は全く分かりませんでしたが、言い争っている雰囲気は子供の喧嘩といった感じで、日本人なら公衆の面前で恥ずかしい意識が働くと思うのですが、周囲の目などいさい構わず大声で罵り合い、今にもつかみ合いが始まるのではないかとハラハラしたことを憶えています。
昨年、揚子江に架かる橋を走行中の高速バスがガードレースを突き破って河に転落し、運転手を含む乗客15人のうち死者13人、行方不明2人を出す事故がありました。折しも中国出張中の出来事でした。乗客のひとり(女性)が運転手に殴り掛かり、その影響で運転手がハンドル操作を誤り、バスが転落したという参事でした。残されたドライブレコーダーの解析で運転手に殴り掛かった乗客は降りたい停留所にバスを止めなかったと怒り、運転手はアナウンスしたが降車の合図がなかったと、言ってみれば些細なボタンの掛け違いです。
20年前、揚子江を渡るフェリーの所要時間は乗り降り時間を入れると1時間以上かかりました。現在揚子江に架かる橋は50を超えると言われ、以前フェリーが渡っていた対岸が近い所に架かる橋なら車で数分かそこらで渡り切ってしまうでしょう。
フェリーと、橋と高速バス、時の流れは中国経済を大きく押し上げ、大胆なインフラ変貌をもたらしましたが、中国人の心の成長はそれについていけてないのかも知れません。
(運転手に殴りかかる乗客/世界のニュースサイトより)
(転落直前のバス/世界のニュースサイトより)
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