2016年春、石川県に3か月間出張した時のこと。
宿泊先の金沢駅近くのホテルから2k先の金沢城址公園をジョグするのが、あちらでのランニングライフ。その日も朝5時半に起床、近江町市場を通って城址公園へ。
公園内を散歩する人の中をゆっくりジョグしていると、凄いスピードで駆け抜けて行くランナーがあります。
「速い! しかも女性!?」
その姿に目を奪われ観察すると、どうやらインターバル走のようです。
「朝からインターバル? いったい何者?」
俄かに疑問が湧き起こりますが引き揚げる時間となり、その日は公園を後にしました。
それから後も城址公園に行くと、かなりの高い確率でその女性ランナーを見かけました。
練習メニューは定番のようにインターバル。人知れずインターバルガールと命名。
謎が深まり聞きたいことが募りますが、季節は流れ金沢滞在もあと数日となったある日、遂に意を決しインターバルガールに話しかけました。
「目標に何? 何故インターバル? ランニング経験は?」
矢継ぎ早に溢れ出ようとする言葉を抑え、一緒にジョグしながらなるべく自然を装い、一つづつ質問しました。
心配していた、けんもほろろの扱いは全くの杞憂、勝手に描いていたストイックな印象とは無縁に、とてもにこやかに受け答えしてくれたインターバルガール。
それが坂東千雅さん、その人でした。